春の嵐、九頭竜川にて・・・

三月中旬、春の嵐が吹き荒れる九頭竜川の土手に僕は降り立った、現在開発中のリップレスベイトと
シンキングミノーのテストを行う為だ。しかし数日前の大雪が一気に流れ込んだ川はあまりにもマイナス
要素を含んでいる。思ったより雪しろで濁ってないのが最後の救いだ、何しろサクラにしてもサツキにし
ても濁りが入ると極端にバイトが減ってしまうからなのだ。さて今年の九頭竜はどんな顔をみせてくれる
のだろうか。

とりあえずSミノー9cmをキャスト、糸ふけを取って流れにのせながら沈めていき流芯を外れる少し手前
から連続トゥウィッチを加える、このポイントは水中にテトラが入っていてある程度の深さもある為、ミノー
ならシンキングタイプかロングビルのものが中心となるのだ、今回のテストにはもってこいの場所だった。
更にこのポイントは、大水の影響で地形が変わり流芯が手前よりになり、以前よりテトラとのいいヨレを形
成する場所になったのだ、有名ポイントの為サクラアングラーなら必ず訪れているのではないだろうか。

しかし、まったく魚っ気がない、やはり、この状況では魚を出す事は難しいのだろうか・・・雨、風共に強くな
ってきた、更に状況は悪化の一途を辿っている。 気分を一新する為に場所移動をする事にした、今年は
どうも例年より遡上が遅れているらしかったので、更にしもに下って魚影の濃さが少しでも多そうな方にポ
イントを絞る事にしたのだ。ここではリップレスを使ってみた、このリップレス、フォーリングは水平姿勢で小
気味良い振り子ロールをしながら沈下していきダートを加えればしっかり左右に飛んでくれるのだ、勿論
ただ巻きではしっかりダンスをしながら魚を誘惑してくれる。レイクのトラウトからシーバスに至るまで幅広く
使える物になっていると思う。 しかし、そんなルアー自慢も虚しく只ひたすらにロッドが空を切る音とライン
が強風で鳴る音だけが響きタイムアップを迎えた。

魚釣りにとってタイミングという言葉ほど重い物はないかもしれない、それはその日の、はたまた数日前の
気象条件であったり、魚が餌を食べだす地合いであったり、さまざまな要素が絡みあって釣果に結び付くか
らだ。365日釣りが出来る環境なら良いのだが、現代社会に生きる僕達は中々そうもいかないだろう、その
少ない時間の中で、何らかの形でタイミングが合った時、釣り人は初めて報われるのだ。しかし、限られた時
間の中で、来週の天気はどうだろうか?今度はあんな戦法でやってみようか?などと思いを馳せながらいら
れる事こそが本当の意味の幸せなのかもしれない。竿を手にしていなくても想像の中でいくらでも魚釣りとい
う行為を行える、人間とはそんな生き物なのだから・・・

上の写真は前の週の同行者のサクラ、九頭竜川のではないが、お腹の
パンパンなビューティフルボディーだった。

疲れた体には美味しい食事。福井でカツ丼といえば「ふくしん」こちらでは
卵とじにしたカツが乗っているのではなく、ソースカツが乗っているのだ。
福井に行って何も知らずにカツ丼を頼むとソースカツが出てきて面食らう
事があるので知っておいた方がよいだろう。ちなみに「ふくしん」のカツ丼
大盛りは、1000円でてんこ盛りのご飯の上にカリッと揚ったカツが4枚も
乗っている、更に漬物、味噌汁付きで、相当お腹を減らしてでないと完食
が難しくなってしまうのだ。なんせドンブリには一応フタが乗っているのだ
が、カツが邪魔をして上に乗せれないので横に申し訳なさそうに引っ掛け
てあるだけなのだから。 九頭竜川のポイントからもそれ程離れていない
ので釣行の際は一度足を運んでみて頂きたい場所の一つである。