夏の日の温故知新
さて、藪を越えて川に出ると眩しい程に太陽の光が差し込んでいる、こんな夏の谷では
ブッシュ下からイワナが飛び出す事が多い、川上からブッシュの前にキャストしてから、
ラインを送りこんでブッシュの下にミノーを入れてやる。そこで細かくトゥイッチを効かせ
て誘いをくれてやるのだが、この時、逆引きに耐えられないような流れに弱いミノーは使
い物にならないので要注意だ。 反応は直ぐにでた、元気な谷イワナだ。数百m釣り上
がった所で4匹程出して次の谷に向かう事にした。
夜勤明けの友人が、「体が持たない」というので2時まで昼寝をして過ごした。誰に何を
言われる訳でもない、自分達だけの時間がゆったり流れている、ゴザをひいて木陰で
横になると、爽やか風が頬を撫でる。最高の休暇だと確信する瞬間だ。
後半戦は更に小さな小川に入る事にした。立ち居地、間合い、キャストの精度が更に要
求される場所だ。 二人でストーキングをしながら小一時間釣り上がるとイワナ最大26
cmを含む7匹と、友人が、谷アマゴのグッドサイズを仕留める事が出来た。この後別の
場所でちょこっと竿を出してアマゴとイワナを4匹釣った所で日が暮れてタイムアップと
なった。
この日は、30℃を超える真夏日ではあったのだが。それだけに麦藁帽子の通気性の良
さ、手ぬぐいの肌触りや、汗の吸いの良さ、そして背中みのの快適さを痛感する事が出
来た釣行となった。 なぜ、古くから長い間使われてきたのか、良い物には良い物の訳
があるからだろう。最新鋭の近代マテリアルも開発の原点は昔から使われてきた物の
中にある事も多い。
『古きを尋ねて新しきを知る』、温故知新の精神を忘れてはいけないようだ。