真夏の鱒は蟲が好き

8月、レインボーの引きを味わいに山奥のとある湖に向かった。今回の同行者はSUENO、前日の夜に荷支度をして出発し
日付けが変わる前には湖に到着できた。車を降りて空を見上げるとふもとではけして見られない夥しい大小の星達が瞬い
ている、感動に値する大パノラマが広がっていた。誰もいない暗闇に男2人道路に大の字になってスターウォッチングをする
と北東から延びる天の川をバックに青白く閃光を残し大きな流れ星が走った。2人で「おぉ〜!」っと声をあげる、「見たよなっ」、
「今のは大きかったなぁ」などと大きな子供は興奮を抑え切れなかった。元々スターウォッチングは好きなのでたまに流れ星
を見に行ったりはするのだが何時見てもアノ閃光には声をあげてしまうのだ。  そうこうして夜も更けていき設営したテント
に入り込み就寝、結局4時間程しか寝れなかった。

翌朝AM4:30に起床、手際よくテントをたたみ釣りの用意をする、朝露に濡れたテントをそのまま
畳むのは不本意だが先を急ぐので今回はしょうがない。体中に虫除けスプレーを吹きかけしっ
かりシャツをズボンにしまい込む、8月も中を過ぎるあたりから一気にブヨが飛び回り、草むらを
藪漕ぎすれば体の周りを真っ黒になるほど付きまとってきてチクッっと刺してくるのだ。
 
そしてAM5:00から釣り開始、バックウォーターの流れ込みを2人で探る、年中通して流れ込みは
高ポイントだが、水温の高くなるなる夏場は特に一度でも水温の低い所を求めて魚が集まってく
る、更に川から流れてくる水面に落ちた陸生昆虫を捕食するのにも好都合な場所なのだ。今回
の釣果の鍵もこの陸生昆虫が大きく握っていた。水深も浅く底の見える流れ込みではサイトの釣
りが優位になる、最初にSUENOが40cm程度のレインボーを見つけミノーをキャスト、この魚は
なんとかミノーでしとめる事ができた。次に自分が4匹程度の群れを見つけラークをキャストする
が興味は示すものの口を使うまでにはいかなかった、そこでボックスをあさるとドローンの足付き
プロトが目に入った、「きっとこいつら今は魚よりコガネとかバッタと食べてっからこれの方がマッ
チしてるよなぁ〜」っと呟きセットして流れの上にキャスト、軽くプリプリ水面を引き波を立たせなが
ら引いた後ナチュラルドリフトで漂わすと、一匹がスゥ〜っと寄って来て上を見上げて捕食のモー
ションに入った、水面が盛り上がりドローンが消えると空かさずフッキング、一気に走り出す相手
をまだいる仲間になるべく見せないように引き離し少し離れた所でランディングに成功したのは綺
麗な紅色をしたレインボーだった。

まだいる、今度は俺の番だっ!っとSUENOも谷釣り用に開発にている3,5cmミノーのカナブンカラー
で、同サイズをゲットした。その後、時間を置きながら同じ虫パターン釣法でドンドン追加していきA
M10:00前には2人で36〜45cmのレインボーを7匹釣って大満足で岐路に着いた。管釣り以外で
は北海道を除いてまだまだトラウトのトップウォタープラッギングは開拓されきってないのが現状だ
が、このような釣り方もハマればとて戦略的で面白い釣りになるのだと実感する事の出来る有意義
な釣行だった。