年の初めのワカサギ嬢

年が変わった2008年1月4日、湖面にぎわう入鹿池へワカサギ釣りに出かけた。 昨年の暮れは、毎年のように
忙しく、まったく竿を握れなかったので、大晦日に大掃除を抜け出して近所の管釣りに竿納めをしに行ってきた。
そして年が変わって2日には連れ達と釣具屋さんに出かけ、3日には北方の管釣り、4日にはワカサギ釣りと、今
年も魚からまったく離れられ無い年になりそうな幕開けとなってしまった。

入鹿池と言えば、中部を代表するバスレイクの一つで、中部圏で一番初めにバスが移
植された池として歴史もあり、今なお多くのバストーナメントが行われているポイントの一
つだが、入鹿池の冬の代名詞と言えば「ワカサギ釣り」なのだ。

入鹿池のワカサギ釣りは勿論バスよりも歴史が古く、毎年、冬季の休日ともなれば、県
内外から多くのファンが湖面に出て優雅なひと時を楽しんでいるのだ。

今回の御供はヨシ君。肩の力を抜き加減で遅く家を出て9時半チョイ前に池に着くと、どの
舟屋も殆んどボートが出払っていてなんとかギリギリでボートを借りる事が出来た。舟屋
で赤虫とワカサギ針のセットを買っていざ出向!

バスのポイントでもある灯台前の近くで碇を下ろし、2人でそそくさとタックルセッティング
に勤しむ。釣りを始める前のなんとも言えないワクワク感はどんな釣りをしていても同じ
だ。切った大根の上に赤虫をのせて、乾かないように少し水を垂らしたら準備完了。それ
ではいきますか、とばかりにリールをフリーにして底まで落として軽くしゃくりを入れる。と
にかく数を釣ってナンボのワカサギ釣りは手返しの良さが釣果につながるので、竿は一
本より二本、二本より三本、と用意して一匹釣り上げて魚を外している最中も他の仕掛け
が水中にある事が肝心だ。

釣り始めて少し経つとヨシ君の竿に最初の当たりがきた。細いティップがプルプルと震
えている。竿を少ししゃくって当たりを聞いてあげると乗ったようだ。巻き上げると、透き
通った体と美しくキラキラと光る鱗を纏った、湖の姫ことワカサギ、が水面に顔を出した。
 しばらくヨシ君だけに当たりが続き、「なんでかなぁ〜」っと悔しがっていると、僕にも待
望のヒット。ワカサギは群れで泳ぎ回っているので一回当たると、短時間にパタパタっ
と釣れて、また釣れなくなって、また連続して釣れる、の繰り返しだ。この後も2人とも順
調に数を増やしていった。

今回改めて感じたのが、どんな釣りにも、その魚に特化したタックルがある訳を痛感した
事だ。今回、少しでも竿数を増やそうと、管釣りの柔らかい竿や、ブルーギル釣り用に作
った柔らかい竿も持って行ったのだが、やはりワカサギ竿のティップの入り方は、ルアー用
の竿では太刀打ち出来なかった。魚が釣れない事は無いが、竿が硬すぎる為に当たり
が出きらないし餌の食いが悪くなるのだ。

但し、手返しの良さから考えると一般的にワカサギ竿に付いている太鼓型のリールよりも
スピニングリールの方がハンドルがつまみ易いし、巻き取りも針を底までフォールする早
さも分があるのではと感じる事があった。

朝は遅かったが、後半は夕方までみっちり楽しんでワカサギ釣りはお開きとした。夕暮
れ前に少し風が吹いて寒かったが、日中はポカポカ陽気な快適な一日だったのでとても
助かった。晴れ男が2人集まればこんなもんだと笑いながら、新春の休日は過ぎていっ
たのだ。

勿論、ワカサギは天ぷらにして美味しくお腹の中に納まった事は言うまでも無い。今年も、
あらゆる自然の恵みに感謝と敬いの気持ちを持って、本気で向き合って行きたいと思う。
今年一年、皆様にも沢山の出会いが訪れますように・・・

本年も宜しくお願いします。