ビックベイトメキシコを撃つ

半年も前の話になってしまうが、CGSの石黒氏から一本の電話
が入った。どんな話かと思うと、「こないだメキシコのレイク・バカ
ラック
に行って来たんだけど、シンドラーのビックベイトでバンバ
ン釣れたよ!」っと言う内容だった。

世界中のバスマンの聖地レイク・バカラック。バスマンなら一度
は足を踏み入れたい場所だろう。その場所でもシンドラーのルア
ーが通用したというのだからこれ程のお褒めの言葉はない。

幾度となくアメリカ、メキシコで釣りをしてきた石黒氏であるが、な
んでも今回の釣行では60upのバスだけでも25本程釣り上げた
らしい。勿論シンドラーのビックベイトも60upを釣ったルアーの一
つだ。


そもそも、このシンドラービックべイトは琵琶湖で有名ガイドとして
名をはせる石黒氏のビックベイトに対する思いを形にするべく、彼
の為に研究開発したルアーなのだ。 当初はシンドラールアーの
ラインナップに載せるつもりで二人三脚の開発をしたのだが、あま
りに手間がかかりすぎた為、一般の生産を断念しオンリー石黒モ
デルになってしまったシンドラー裏ルアーなのだ。

ルアー全長は20cmあるのだが、お尻にねじ込み式のトレーラー
ワームをつけれる部分がついているのが売りだ。しかし、今回の
釣行で、60upクラスのバスが立て続けにバイトしてくる状況下で
は、使っているうちにワームが勢いで吹っ飛んでなくなってしまう
という、日本では起こりえないミスポイントが見つかってしまった。
写真でもお分かりの通り、ファイト中にワームが飛んでいってしま
ったようだ。

本当は、時間が出来るようになるまで製作するつもりは無かったのだ
が、石黒氏と共に釣りに行かれた方が、真横でバンバンアタックしてく
るシンドラービックベイトを惚れ込んで下さり、どうしても欲しいと言う話
になってしまった。

そこで、トラウトルアーの生産の合間を縫って、ワームが抜けない様に
チューンし直し、ボディー強度も高めて、やっとの思いでレイク・バカラ
ック仕様のビックベイトが完成したのである。

ワームが抜けてしまう問題は、幾度のトライアンドエラーの末、ねじ込
み式の横方向の支えに対して、硬質ワイヤーの留め具を縦方向にワ
ームに刺す事で格段にすっぽ抜けが解消された。

やっと半年がかりで完成させたビックベイトの向こうには、管釣り用の
自作スプーンがジャラジャラと団子になっていた。マクロからミクロま
で、そこに魚がいる限りシンドラーの開発魂は衰える事はないだろう。