AM5:00少し前に目が覚めた、目の前の水面には
もうモジリが見られる、起きたての体で何をするでも
なく竿を振る・・・なんて素晴らしいんだこんな生活を
続けたら社会復帰が出来なくなってしまう様な気がし
てしまう。早々にインスタント味噌汁などで朝飯を食
べると、さぁ出発だ!今日は僕と制城氏が行った事の
ない所に有恒氏が案内してくれると言う。 
 先ず最初に椿原で少しやって有恒氏が一匹釣って
からマル秘ポイントへ数十分移動する事に、何台か車
が停まっていたがどうやら半分は山菜を取りに来てい
る様だ、釣りも楽しいが山菜取りも楽しい自然の遊び
の一つだ、乱獲は良くないがチョコットだけ自然の恵み
を頂いて帰る事もよくある。

一つ目の場所はあまりよくなかったので一時間ほどできりをつけ
次にポイントへ行くことに、ここでは制城氏は睡魔に襲われ車で
仮眠をするそうなので二人で行くことになった。ポイントまでは滑
落した岩盤と残雪が行く手を阻んでいる、この時期には用意に
入り込めるような場所ではない。一汗掻いてポイントにつくと白く
濁った雪しろがゴンゴンと入りこんでいる、魚が居ればまず間違
いないような所だ、一番いい場所に入らせてもらいキャスト!
勝負はすぐだった、ずっと追尾してきたイワナを手元でなんとか
食わせ最初の一匹、続いて同じ辺りからもう一匹、少し場を落ち着
かせルアーを交換、流れに乗せながらアクションをかけると流れ
から外れた瞬間にピンシャンのレインボーが上がってきた。

魚を取り込んでいると有恒氏がゆっくり歩いてきた、最初
に投げた人が有利な事は分かりきっている、有恒氏に感謝
するしかない。大きい方のイワナはスレンダーなものの尺
はいっていた、レインボーも久しぶりに綺麗な魚体に会うこ
とが出来た、ここまで来た甲斐があるというものだ。
この後、同じ所で有恒氏が更にいい型のレインボーを掛け
ていたがフックがギリギリだったらしく取り込みで逃げられた
らしい、しかし焦った様子もなく「また釣りゃいいさ」と言わん
ばかりの顔をしていた、この人の釣り人としての大きさは
まだまだ測り知れないのだ。そんなこんなで車に戻ると制
城氏はまだ夢の中だった・・・

昼飯を食べにテントに戻ると風がドンドン強くなってきた
低気圧が近づいている証拠だ、雨の降り出しもそんなに
遅くはないだろう、早々に飯を詰め込むともうパラパラし
だした、急いでテントをたたんで車に押し込む、間一髪で
本降りには間に合った。
 思ったよりシッカリ振りそうだが、ここで「じゃあ帰ろうか」
と素直にいかないのがこの人達だ、釣り好きのレベルを
確実に一線越えている! 御母衣ダムのバックウォーター
まで戻りカッパを着込んで再び出発、雨でぬかるんだ足元
は細心の注意が必要だ、一人きりでの釣行はお勧めでき
る物ではけしてない。シトシトと降り続く春雨の中ハントに
25cm程度のレインボーが釣れてきた、ホントはドカンッ!
とサクラマスが来て欲しかったがしょうがない。

有恒氏も同じぐらいのレインボーを釣ったらしいが、
ここでタイムアップ、納竿となった。
今回の釣行はいつもの一日だけしかできない、時間
を気にしながらの釣りではなく、ゆったりした時間の中
でセカセカする事なく自分達だけの時間を満喫できた
様な気がする、きっと年をとって自分の人生を振り返
った時に良い人生だったと思える為には、思い出した
だけで知らず知らずに顔がほころんでしまう様な記憶
がどれだけ自分にあるかに左右されるのだと思う。
 けしてそれは釣りでなくては得られない物ではない
が僕は釣りと言う遊びに巡り遭えた事に喜びを感じず
にはいられない・・・